濱田邸長屋門修復記14(最終回)

濱田邸長屋門の修復も4月中に終わった。左官仕事も中塗りから砂漆喰(漆喰に砂を混ぜたもの)と工程が進み砂漆喰を塗り終わると最後の漆喰塗りとなる。何重にも土を塗り土壁が完成する。壁の基礎となる竹で作る木舞から荒土、中塗りの下地塗り、中塗りと続き漆喰の下地である砂漆喰塗りを経て漆喰を塗り土壁の完成という多くの工程を経て土壁が出来上がる。現在の建築とは大きく工程が違っている。現在の住宅の壁は柱と柱の間に間柱というものを入れ断熱材を間柱の間に入れその上から石膏ボードを貼りクロスを貼るだけで終わる。昔の建築とは全く違う。

本題に戻るが、割れや剥落の目立った濱田邸の壁だが見事に漆喰の白さが戻った。左官職人の仕事のお陰で壁が蘇った。

漆喰塗りの下地の砂漆喰塗り。砂を混ぜることによりより漆喰が噛みやすくするためだ。漆喰は石灰が主な原料なので土と違いそのままでは剥落してしまう。布海苔や麻の繊維をまぜ下地に食いつきやすくしなが割れを防いでいる。

砂漆喰を塗り終わった箇所がわかるように養生シートに色の違うテープを貼って漆喰塗りを待つ。

次々と漆喰を塗り仕上げていく。職人のコテさばきはやはり見事なものだ。塗りむらひとつなく綺麗な白壁が仕上がっていく。これで全ての工程が終わり長屋門は修復が完了した。あとは古い配線をやめ新しく配線をし直し照明器具などを設置するだけとなった。(この文章を書き上げる前にそれも終わっている)左官職人の親方の話として痛んだ壁を塗ると割れが出てしまうことがあるそうで実際この長屋門でも一部中塗りがひび割れが起きたしまったそうだ。長く持たすにはファイバー製の網を入れて塗り直すと長く持つそうだが、今回は麻の繊維で出来た網を貼りひびの修復を行ったそうだ。




修復前の長屋門と修復を終えかつての姿を取り戻した現在の長屋門。

修復に関わった職人の皆さん。

【大工、荒壁】 望月崇史さん 宿谷想さん 【茅葺き屋根】 常陸風土記の丘 渡邊大さん 江戸達郎さん 【茅拵え】 茨城県石岡市地域おこし協力隊 牧田沙弥香さん 【左官】 西根武さん 西根良幸さん

皆さんご苦労様でした。

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