濱田邸長屋門修復13

リーチと濱田の歴史が詰まった長屋門も茅葺が終わり修復の大きな山を越えた。これからは外壁と内壁の左官仕事。傷んだ土壁を綺麗に仕上げる工程だ。木舞まで傷んでしまった箇所は大工仕事で竹と荒縄で基礎を作り荒壁塗りをして左官職人の仕事待ちだった。秋から冬を通し大工仕事と茅葺仕事が済み暖かい季節を待って壁の塗り直しが始まる。寒い時期には左官仕事は出来ない。塗った壁土や漆喰が凍ってしまうからだ。漸く暖かな季節がやって来て左官仕事が始まった。昔からの土壁は木舞→荒壁→中塗りの下地→中塗り→砂漆喰→漆喰と工程がある。木舞が壁の基礎になり荒壁が壁の芯となる。更に最後の漆喰を綺麗に仕上げるため中塗りの下地塗りから始まり中塗りをしてさらに漆喰の喰いつきをよくする為砂を混ぜた漆喰つまり砂漆喰を塗って漸く漆喰塗りとなる。壁があまり傷んでいないところは古い漆喰などを落とし中塗りから始める。先ずは塗り込める柱などの木部から剥がして木部を露出させて糊を噴霧して下地塗りをする。木部には土の喰いつきが悪いようでそうした工程が必要。中塗りが終わったところで砂漆喰塗り最後に漆喰塗りになる。現在の建物の壁のように間の間に断熱材を入れ石膏ボードを貼りクロスを貼るようには行かない。

壁の修復を待つ長屋門


木舞や荒壁を改めて塗った状態

左官仕事が始まる。

次々と工程をこなす職人さん達。最初は木部の塗り込められて部分の古い漆喰などを丁寧に掻き落とし糊を塗り下地を塗る。それから中塗りが始まる。中塗りも最後の仕上がりをよくするため丁寧に塗り込める。やはり木部のところには藁を付けてより中塗りの土を密着できるように塗っていく。左官職人さによると本当は棕櫚の繊維の方が喰いつきが良いそうだ。聞き漏らしてしまったが、もしかして以前から藁を使っていたのでだろうか…。修復の基本はオリジナル通りの手法と材料を使うことだ。極力これまでの工程も使える部材は残し傷んで放置したままだと建物に影響のあるものだけ新しくしている。

さて残るは、仕上げの漆喰塗り。

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