濱田邸茅葺長屋門修復その12
屋根の茅葺の修復も終わり鉄パイプの足場も撤去され後は漆喰壁の修復を待つばかり。漆喰壁の修復は3月半ばぐらいからだという。寒い時期に施工すると水を使って漆喰を練るので凍ってしまうから。焼き物もロクロによる「水引き」の後寒い時期は気をつけるものだ。今では断熱効果の高い仕事場も増えているのであまり心配はないのだが、昔ながらの仕事場だと何もせずにいると一晩でロクロで引いたばかりの品物が凍りヒビ割れて使い物にならなくなる。それと同じ事だ。
足場が取れた長屋門はスッキリとしたたたずまいを見せている。梅も咲きほこり新しい茅の屋根が眩しい。
すっかり足場が取り去られて長屋門。
昔の在りし日の長屋門と屋根の修復が終わった現在の長屋門。左官仕事はこれから。
長屋門の正面。下の写真はリーチと濱田の細工場部分。
裏側から(濱田邸の方から見た)撮影した写真。2枚目はリーチと濱田の細工場の入り口付近。3枚目はリーチが滞在した部屋の入り口。向こうに濱田庄司が集めた世界の民藝のコレクションを展示する「参考館」の入り口の長屋門(瓦葺き)
資料として。茅切り鋏の刃。刃がわずかに上に反っている。2枚目は茅葺き屋根の構造の模式図。全ての部材が縄と切り込みで組み立てられている。材料も製材されたものや丸太のままだったり手斧の削り跡も残ったままの質素な作り。また、確認できなかったが、この三角の屋根の構造材は下の部屋の天井の梁のに最sこまれているだけと思われる。多くの茅葺き屋根でこうした構造をとっている様だ 。有名なところでは飛騨高山の「白川郷」や「五箇山」の合掌造りがこうした構造をとっている様だ。大きな屋根をしっかり固定せずに風の揺れや地震の揺れに対して柔軟構造をとる事で建物全体を守っているそうだ。
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