明治10年代〜30年代生まれの陶芸家

明治10年代〜30年代生まれの陶芸家が大正末期から戦前、戦後の陶芸界を築いて行った。その顔ぶれを見ると綺羅星のように多彩な顔ぶれだ。昨年、濱田庄司とバーナード・リーチが英国のコンウォール地方にあるセントアイブスという町にリーチポッタリーを開設してちょうど100年目に当たる。濱田が明治27年、リーチが明治20年の生まれでこの事を考えていたら、日本における陶芸家の数多な巨匠と呼ばれる人達がおおよそ明治10年代から30年代までに生まれている事に気がついた。

多様なジャンル(?)に渡る巨匠達がこの時代に生まれ戦後長い人で1980年代まで活躍している。民藝運動に関わる二人の陶芸家をあげたので民藝関係では濱田と学生時代からの長い交流のあったというか同志とも言える河井寛次郎や後に民藝と決別する富本憲吉、文人陶芸家とでもいうのであろうか民藝と異質な川喜田半泥子。桃山時代の備前焼き物を再興した金重陶陽。生まれは同時代だが陶芸を始めたのは遅かったが同じ備前で活躍した藤原啓。やはり途絶えた桃山陶の「志野」を再興した荒川豊蔵。色絵磁器の加藤土師萌。12代今泉今右衛門。12、13代酒出柿右衛門。石黒宗麿。北大路魯山人。加藤唐九郎等。思いつくまま列挙するだけでまだまだ名前が出てくるのだが、生没年を確認するだけで大変なのでこの辺りにしておく。

失礼な言い方だがまるでこの時代は「カンブリア爆発」のように色々な才能が生まれその才能が開花している。生物学の「カンブリア爆発」では多彩な生き物が生まれては来たが化石としてしか残らなかった生き物がほとんどだが、陶芸界の「カンブリア爆発」はその後の陶芸界の礎になり多くの影響を与えたものと思う。自分の世代はかろうじてこの爆発の光を浴びて育った。直接の光としてはその次の大正期から昭和一桁代の生まれの先達からだが。

なんとも凄い時代だったと思う。

下の二枚の作品は上がバーナード・リーチ作。下が濱田庄司作

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